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<第5章 もうひとつの「お金」は可能だ!>日本人が知らない 恐るべき真実

第5章 もうひとつの「お金」は可能だ!−目次>>新しい貨幣システムを実現しよう!

新しい貨幣システムを実現しよう!

<2005.10.01>

「システム思考」という考え方をご存知でしょうか?

システム思考とは、さまざまな部分がからみあった「全体」をシステムとして見るアプローチで、全体を複眼的な視点で見ることにより、一面的な見方を避け、対処療法的な解決方法ではなく、根本的な問題の解決方法を導き出そうとするものです。

たとえば、日本には「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉があります。どうして風が吹けば桶屋が儲かるのかと言えば−

風が吹く→砂ぼこりが舞う→砂ぼこりが目に入り、目を悪くする人が増える→目が悪くなると三味線を弾く人が増える(江戸時代には目の悪い人が三味線で生計を立てることが多かった)→三味線の需要が増えると三味線の皮に使う猫の皮が不足する→猫をたくさんつかまえるようになる→猫が減る→ネズミが増える→ネズミが家庭にある桶をかじる→桶を買う人が増える→桶屋が儲かる

というストーリーになっています。

このように一見関係ないように見える事象が、社会というシステムの中で、実は複雑なつながりを持っていて、お互いに影響を与え合っています。
システム思考では、何か問題があった時に、個人や個別の事象の責任に帰するのではなくて、問題をいろいろな要素の絡み合ったシステムの問題として捉えます。

システムに問題があるのですから、個人を非難しても、取り換えても、決してうまくいきません。
たとえ人が変わっても、構造が同じなら、また同じ問題が起こるからです。

システムの構造を変えることによって問題を根本的に解決しようとするものがシステム思考なのです。

一つの問題もいろいろな要素が関連しあっているシステムから起こっています。
そして、システムには「ここを押せば動く」というポイントがあります。

テコの原理でいうところの力点のように、そこを押せば小さな力で大きなものを動かせるというポイントがあるのです。
それを探して、効果的にシステムを変え、問題を元から絶とうというのがシステム思考の考え方です。

私は、社会というシステムにおけるこのポイントが「お金」だと考えています。

お金のシステムを変えない限り、いくら政治家や企業経営者を変えたところで、根本的な問題の解決にはならないでしょう。
逆に、お金のシステムを変えられた時、連鎖的にさまざまな諸問題も解決されていく可能性が高いと思っています。

ただ、私たちがお金のシステムを変えようとする時、大きな障害となるのが、冒頭でも述べた通り、

「多くの人がお金のことを知らない」

という点です。
問題意識がなければ「変えよう」という気持ちは起こりません。

では、何故これだけ情報が発達した社会で「お金」のことは盲点のように人々に知られないままになっているのでしょう?

国民が広く共有の知識を得るには二つの方法があります。
ひとつが「マスコミ」、
もうひとつが「教育」です。

ただし、マスコミや教育によって得られる情報は、必ずしも正しいものであるとは限りません。

その理由はいくつかあり、相互に複雑な利害関係が絡み合っています。
以下にその要因をあげて考察していきますが、その前に、前提として、資本主義社会では

「企業は利益のために動き、国家は国益のために動く」

という原理・原則があることを念頭に置いていただきたいと思います。
国益とは、文字通り国家の利益です。
この国家の利益には、大きな柱が二つあり、ひとつは

「自国の安全の確保」、
そしてもう一つが

「経済的利益を追求すること」
つまり「お金儲け」です。

ただ、国家自体は営利目的の組織ではありませんから、自らお金儲けはできません。
ですから、自国の企業が利益を出せるように環境を整えること、それにより国民を豊かにし、さらには国家運営をまかなう財源を確保することが大切な任務となります。

現在の貨幣システムでは、国家や地方自治体そして利益を出せない者は、余剰利益を出しているものからお金をまわしてもらう=経済的に依存するしか術がないのですから…。

さて、マスコミは、立法・行政・司法という三大権力の暴走を監視・チェックし、客観的に批判・検証する役割を持つ

「第四の権力」
と言われていました。

しかし、現在のマスコミは、この役割を果たしているとは言いがたい存在となっています。

何故そのようになってしまったか、その主な要因をあげてみましょう。

英国BBC放送やガーディアン紙を中心に活躍し、フィナンシャルタイムズのデヴィッド・トマス賞を受賞した調査報道記者グレッグ・パラスト氏によれば、調査報道には次の三つの特徴があるとしています。

  1. 危険が伴う。
  2. 既存の体制の常識を覆す。
  3. 成果をあげるには大変なコストがかかる。

マスコミといえども営利企業です。営利企業がわざわざ危険を求めたり、批判の矢面に立ったり、余計なコストを支払ったりすることはないとパラスト氏は断言しています。
記者の主な仕事は、政府や企業の広報担当が提供するプレスリリースを要約して流すことであり、それが真実かどうか調査して確かめることはほとんどないということです。

この証言を地でいくのが日本独特の制度として悪名高い「記者クラブ」です。

記者クラブとは、省庁、地方公共団体、警察、企業、団体などの記者室に置かれている取材のための機関のことで、記者室にいる記者は記者会見の内容を要約するだけの仕事が主になり、発表内容が真実かどうか確かめる人手も時間も予算もありません。

また、外国のマスメディアやフリージャーナリストの加盟をなかなか認めない閉鎖的な体質も批判されています。
このような閉鎖的体質が取材先との癒着を生み、権力を監視するどころか、各社申し合わせて企業や政府にとって都合の悪い記事を流さなかったり、逆に、事前に情報をリークして対策を講じさせたりと、不正・腐敗を温存する片棒を担ぐ役割を果たしています。

また、このような新聞業界は、
日本テレビが読売新聞
フジテレビが産経新聞
テレビ朝日が朝日新聞
と系列企業であるように、放送業界と一蓮托生です。

放送業は許認可事業であり、国が許認可を取り消せば廃業に追い込まれます。

国営企業のNHKにしても、国会で予算を承認されなければ、放送法により3ヶ月以内に放送を停止しなければなりません。

そのためNHKは、総合企画室という連絡調整部署を設け、政治家へ事前に「番組説明」という名目の「検閲」を自主的におこなっています。
つまり、国(=政治家や官僚)を怒らせたり、敵に回したりするような報道は、自らの首を締めることになってしまうので出来ないのです。

もうひとつの要因は、ほとんどのマスコミにとって多くの割合を占める大切な収入源である「広告」です。

広告を出す主は企業であり、企業は自分たちに好感を持ってもらうために高い広告費を支払います。
つまり、マスコミにとって大切なスポンサーである企業に都合の悪い報道はできるものではありません。

さらに付け加えるなら、海外からの情報は主にロイター通信かAP通信によってもたらされたものを、そのまま外電として流します。

世界の情報を発信するこの2社は前出のロスチャイルド資本によってつくられた通信社【※1】であり、自らの大株主にとって都合の悪い情報など流せるはずがありません。

国際的な認識や世論は、このような情報を基礎として形づくられていくのです。

マスコミと並ぶ大きな情報伝達力を持つもうひとつの情報機関である「教育」についても考察してみましょう。

日本には、義務教育があり、日本国民の基礎知識や共通認識は、この義務教育によって形づくられます。
この義務教育は、教員が教科書を用いて情報を教えます。
教員になるには、法令により教員免許状の取得が義務づけられています。もし反国家的な行為をおこなえば、当然ですが、その免許は剥奪されてしまいます。

また、教科書は学校教育法で文部科学大臣の検定を経た教科用図書=文部科学省検定済教科書か、文部科学省が著作の名義を有する教科用図書=文部科学省著作教科書を使用しなければならないと定められています。
教科書をつくる出版社からすれば、検定に合格するような教科書をつくらなければなりません。つまり、どちらも国家にとって都合の悪いことは教えられない仕組みになっています。

教育機関を含む情報機関には真実を知らせる力がありますが、
逆に真実を知らせないという選択肢もあるのです。

真実を知らせることにより、自らが不利益となるような場合、情報機関は真実を知らせない選択をするのは当然の行為なのかもしれません。
このような既存の情報機関の限界を打破しようと、韓国ではオーマイニュースという参加型メディアがつくられ活躍しています。
記事を書くのはプロの記者だけでなく、登録すればだれでも記事を投稿できるようになっています。

日本でも『JAN JAN』という市民が記者になってニュースを送るインターネット新聞が出来ていますが、まだまだ成功と呼べるほどの段階には達していません。

こういう現状の中で、情報機関を動かす力を持っていない一般市民が、自ら知り得た重要な情報を広めていくにはどうしたらよいか、とても難しい問題であり、大きな壁です。

一般市民が、情報を広めるには、口コミやミニコミ、インターネットという方法があります。

これらはマスコミや教育のような大きな情報伝達力を持ってはいませんが、決して無力ではありません。たとえば100人の人が100人に伝えれば1万人になり、1万人の人が100人に伝えれば100万人になります。その100万人の人が100人に伝えれば1億人になり、日本国民のほとんどが知ることになります。

1億人の日本国民が、新しい貨幣システムを実現するよう働きかければ、政府も官僚も動かざるを得ません。

荒唐無稽のようですが、決して夢物語ではないと思います。
そのためにおこなう行為は決して難しいことではありません。

私たち一般市民がおこなうことは二つだけ、

  • まず知人に知らせること
  • そして政治家と官僚に要望すること

たったこれだけです。

その方法は、実際に会って話すでも良し、手紙やFAX、メールを送るでも良し、自分にあった無理のない方法を選んでください。
もし、ご自分で説明が充分にできない場合は、このブログを読んでもらってください。

私がこの文書をブログで公開することにしたのも紹介や転送がしやすいためです。
リンクを貼っていただいたり、トラックバックしていただくのも大歓迎です。

もし、本当に本書で私がおこなったような提案を実現できたとして、それにより不利益を被る人はほとんどいないはずです。
逆に、それをしないでこのまま放置することは、自分や家族、友人など身近な多くの大切な人たちが非常に困難な状況に陥ったり、生命の危機に直面することになるでしょう。

こういう書き方は脅迫めいた感じがして個人的にはとっても嫌なのですが、事態は真に深刻であり、タイムリミットが迫っています。
第一章で想定したような悲劇的な惨事が起こる前に、なんとか未然に防ぎたいのです。

時限爆弾のスイッチは、もう既に押されているのですから。

【※1】通信社 新聞・雑誌・放送など報道関係の会社に国内外のニュースを提供する会社

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