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米国:あるユダヤ国家

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米国は長い戦争に向かおうとしている。それは「対テロ戦争」と呼ばれるが、しかしその名前は「敵に対する戦争」という以外の意味は持たない。ノーム・チョムスキーが面白い定義をしてくれた。「テロリズムとは我々に対して為されることをいう」と。しかしながらこの戦争の只中で、何万人もの我々のアダムとイブの兄弟たちが爆撃を受けナパームに焼かれ核攻撃で死ぬだろう。少年たちも少女たちも、まだ生まれていない子供たちも老人たちも、復讐の神の祭壇に捧げられ儀式として屠られるだろう。

ブッシュ大統領はその企てを「十字軍」と呼んだ。その呼称は我々の記憶の中から、十字架を手に持ち、唇で我々の主の名を唱え、長く苦しい巡礼の冒険に出るアキテーヌの騎士たちや信心深いフランクの戦士たちのことを思い起こさせる。実際にはもっとひどいものだった。十字軍は西側のジハードであり数多くの流血を引き起こした。十字軍兵士たちは乱暴で見境が無く、世界で最も美しいキリスト教の都市であるコンスタンチノープルを略奪した。そしてエルサレムの聖なる土地を血みどろにしたのだ。十字軍の年代記家であるカエンのラドゥルフ(Radulf of Caen)は自分の戦友たちについてこう書いた。《シリアのマアラの街では「鉄串に刺し貫いた赤ん坊を火で炙って貪り食った」。》彼らは野蛮な連中だったが、私は、これらの殺し屋と肉食獣どもの名がブッシュの十字軍の連合によってこれ以上汚されることの無いように願うものである。彼らはこのほとんど非キリスト教的な、というより反キリスト教的な感覚に、復讐ではなく、栄光を求めていたのだ。

 

そもそも福音の精神は復讐を拒絶するものである。これが教会とシナゴーグの非常に大きな違いなのだ。この二人の姉妹は2000年前に生まれた。この内蔵された違いはこれら二つの信仰の間にある分離として受け継がれている。キリスト教徒が敵のために祈れと呼びかけられるのに対して、ユダヤ人は復讐を夢見るように期待されるのである。

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