米国におけるジョージ・W・ブッシュ大統領への「弾劾行動」の実態について
2008年4月22日、国会で911事件について言及した民主党の藤田幸久議員に、ブッシュ大統領への弾劾行動に関する資料を手渡して来ました。下記に、その資料を公開します。
目次
- ブッシュ大統領の「弾劾」要求活動の経緯
- ラムゼイ・クラーク・元米司法長官の呼び掛けでブッシュ弾劾投票進行中
- ブッシュ大統領は弾劾にかけられるべきか?
- 「弾劾」とは?
- アメリカ「弾劾手続き」の特徴
- イラク戦争4周年(2007年)の反戦大集会
- ワシントンで5000人以上が反イラク戦争のデモ
- 「大統領を弾劾すべきか?せざるべきか?」
- クシニッチ上院議員もブッシュを弾劾
- ロン・ポール下院議員によるイラク司令官詰問
- 40市町 ブッシュ弾劾求める
- イラク戦争:数字で見る最新情勢
- グローバル活動の高まり
- お願いとお礼
- ジョージ W. ブッシュ大統領を告発する動きは、公共・民間両セクターを巻き込む勢力範囲となっています。
- 「ブッシュ大統領の弾劾」行動は、弾劾に支援を支持する民主党員と共和党員の両方を含む社会運動と、世論調査データに示される、より広い勢力範囲の意味で使用されます。
- 彼らが、ブッシュ大統領告発をする理由は、2003年のイラクの侵入の正当性(legitimacy)と適法性(legality)、および合憲性(constitutionality)に関する心配、および国家安全保障局によるアメリカ国民の論議を呼んだ電子監視を含んでいます。
- 2007年の世論調査では、39〜45%が「ブッシュ大統領の弾劾」に賛成していました。そして、日々「弾劾決議」賛成者が増えつつあります。
- 下院司法委員会はブッシュ大統領の告発を考えていません。下院はそうするために行動を全く取っていません。 民主党指導部は、 今のところ「ブッシュ大統領の弾劾」を決議するという意志を見せていません。
- 現在、ラムゼイ・クラーク・元米司法長官の呼び掛けで、 「ブッシュ大統領弾劾」の署名活動が進行中です。
- 「ブッシュ政権は、侵略戦争という平和に対する罪を犯した。この運動を成功させ、われわれの憲法を取り戻そう。」
- 米政権が狙うのは「イラク経済全体を民営化し、軍事支配をテコに中東全域で米多国籍企業のための構造調整政策を進めること。最近の『中東自由貿易協定』構想がそれを示している」
※下記の『大統領ジョージ・W・ブッシュ一派への弾劾書』をご参照下さい 。
http://www.anti-rothschild.net/material/33.html
第66代司法長官(リンドン・ジョンソン大統領下)
ウィリアム・ラムゼイ・クラーク
(William Ramsey Clark,)
生まれ
1927年12月8日 テキサス州ダラス カトリック
学歴
Case Western Reserve University
(文学士 文修士 B.A M.A.)1973
ガンジー平和賞受賞者、トム・クラーク元司法長官・元合衆国最高裁判事の子息
アメリカの公民権運動史上重要な役割を果たした。
(1965年投票権法、1968年公民権法の策定など多数)
米大手テレビ局NBCが、 「ブッシュ大統領の行為は弾劾に値するか」という調査をホームページ上で実施
質問:あなたはブッシュ大統領の行動は弾劾に値すると信じますか
- はい、秘密裏に行なわれた国民に対するスパイ行為、欺瞞でイラク戦争を導いたこと等、大統領を裁判にかける十分な根拠はある。
- いいえ、他の大統領と同じように、ブッシュ大統領は幾つかの間違いを犯しましたが、それらは“重罪と不法行為”とはいえない。
- いいえ、ブッシュ大統領はまったく間違ったことはしていません。弾劾は政治的なリンチである。
- 分かりません。
回答結果:(1)89%、(2)4.1%、(3)5%、(4)2%
「弾劾」とは?
- 弾劾(だんがい)とは、法令により特別に身分を保障された公務員に職務違反や非行があった場合に、議会その他の国民代表機関の訴追を受けて、他の国家機関が審議して当該公務員を罷免または処罰する手続き。
- アメリカ合衆国の弾劾裁判制度は、下院が訴追し、上院が裁判する仕組み。罷免するだけで、刑罰を科すことはできない。「弾劾裁判」の対象に、国家元首である大統領も含まれている点に特徴がある。普段は憲法の規定により、上院議長は副大統領をもって充てているが、合衆国大統領の弾劾裁判の際は連邦最高裁判所の長官が上院議長となる。連邦最高裁判所長官は弾劾裁判の裁判長として、上院議員は陪審員としての職務を行う。
- ウォーターゲート事件の解明を妨害したニクソン大統領について、1974年に下院司法委員会は、司法妨害、権力濫用、議会侮辱を理由として、訴追勧告を決定した。訴追決議をする直前に、ニクソン大統領は辞任。ジョンソン大統領とクリントン大統領は下院による訴追決議の後、上院で弾劾裁判の審議がされた。無罪(非罷免)の評決。
出所:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アメリカ「弾劾手続き」の特徴
1.統治原理
- 行政権は大統領に帰属(日本:内閣が連帯して国会に責任を負う)。
統治権力は大統領、議会、裁判所に厳格に分離。「大統領制」というよりは「権力分立制」。とくにアメリカの「大統領制」は分立が徹底している。
大統領と議会の関係
- 議会には不信任案を通す権限はない。大統領を解職させる方法は弾劾裁判にかけて有罪とした場合のみ(重罪および軽罪、上院の三分の二)。
- 大統領にも議会の解散権はない。
- 法案提出権はない。ただし、法案拒否権が与えられている(三分の二の多数の再可決で議会は覆すことができる)。
- 閣僚、高級官僚、大使、裁判官の任命には上院の過半数の賛成が必要。議員と閣僚(次官や次官補も含む)の兼任は不可。
出所: (首相公選制を考える懇談会第3回会合)9/13/2001
久保文明(慶鷹義塾大学法学部)
イラク戦争4周年(2007年)の反戦大集会
「イラク侵攻4周年」の大集会。氷点下の寒さをはねつけて数千人が結集し、ベトナム戦争の戦没者記念碑付近から国防総省までデモ行進する。
※下記URLの画面左側にある動画をご覧下さい。
http://democracynow.jp/submov/2007319-2
「演説者」
- シンシア・マキニー (Cynthia McKinney)
ジョージア州初の女性アフリカ系下院議員。10年間民主党議員を務め、2006年の予備選で敗退。
- マイケル・バーグ (Michael Berg,)
イラクで息子を亡くした父親。 「息子が死んだのは、ブッシュとラムズフェルドの罪のせい。ブッシュを弾劾せよ!」と呼びかけます。
- ジョナサン・ハット (Jonathan Hutto)
『見直しを訴える会』の共同発起人。「兵士も戦争の終結を訴える権利がある。現役兵なら訴えよう。
- ラムゼイ・クラーク (Ramsey Clark)
元米国司法長官。「米国は、原子力発電をしているだけの国を『核を使う恐れがある』と責めるが、自国では更なる新兵器を開発し、しかもそれを使っている」と強調。「憲法起草者は弾劾を重視した。我々の法と憲法を守るため、現政権を弾劾しよう」と呼びかけました。
ワシントンで5000人以上が反イラク戦争のデモ
- ワシントンD.C.で数千人が集まり、イラク戦争の終結と米兵帰還、およびジョージ・W・ブッシュの弾劾を求めてデモ行進を行った。
※下記の動画『ワシントンでの反戦デモ(RTR,NHK)』をご覧下さい。
http://jp.youtube.com/watch?v=W8brL_pupnA
- 戦死した米兵の家族を含む4000人から6000人の参加者はホワイトハウス前に集まると、「ブッシュ大統領を弾劾せよ」などと書かれたプラカードを掲げ、連邦議会まで練り歩き、気勢を上げた。
- イラク戦争に参加した経験者は、イラク情勢全般とブッシュ大統領が進めた増派に楽観的な見方を示したことに触れ、「デビッド・ペトレアス(David Petraeus)司令官の議会証言は、信じられないくらい現実とかけ離れている」と批判した。
- 前週公表された世論調査によると、62%の米国民はイラク戦争が間違いだったと考えており、59%は米国民の生命を賭す価値はないと考えているという。
- 10日にニューヨーク・タイムズとCBCが発表した世論調査によると、米国民はイラク戦争を無事に終結できる主体として、68%が米軍司令部に期待していると答えている。民主党が過半数を占める米議会は21%、ブッシュ政権を選んだ米国民は5%のみにとどまった。(c)AFP
出所:【2007年09月16日 AFP】
大統領を弾劾すべきか?せざるべきか?」
クシニッチ上院議員もブッシュを弾劾
2007年3月15日の議会で民主党デニス・クシニッチ上院議員が、イランへの先制攻撃がいかに間違っているか、正しい理由をあげて、さらなる軍事行動も辞さないブッシュ政権を阻止するためには、「弾劾」しかないかもしれないと発言しました。
※下記の動画をご覧下さい。(英語のみ)
http://video.google.com/videoplay?docid=3459338221195462179
1994年大統領選挙候補者
民主党デニス・クシニッチ
(Dennis Kucinich)
生まれ:1946年 10月8日 カトリック
学歴
Case Western Reserve University (文学士 文修士 B.A M.A.)1973
家族:妻とは離婚、子一人
オハイオ州クリーブランド市長(1977-79)オハイオ州上院議員(1995-97)などを経て、
連邦上院議員(1997〜)
ロン・ポール下院議員によるイラク司令官詰問
ロン・ポールは、厳しい(答えにくい)質問を展開、1つの質問への即答を求めました。 質問は「ブッシュ大統領が議会の承認なしでイランを爆撃することができたかどうか」ということでした。 しかしながら、デビッド・ペトレアス(David Petraeus) 司令官は、答えるのを避けます、大将たる者は、議会の承認なしで国を爆撃することが、適法(合法)であるかどうかを確実に知るべきですが。
※下記の動画をご覧下さい。(英語のみ)
http://video.google.com/videoplay?docid=3459338221195462179
イラク司令官の表情と、司令官の「イラク爆撃についての正当性について答えられない」との証言を、なにとぞお聞きください。英語がわからなくても表情だけでもご覧下さい。
1994年大統領選挙候補者
共和党 ロナルド・アーネスト「ロン」ポール
(Ronald Ernest "Ron" Paul)
生まれ:
ペンシルバニア州ピッツバーグ近郊のグリーン・ツリー
学 歴:デューク薬科総合大学
家族:5人の子供、18人の孫とひ孫が1人
テキサス州選出下院議員で任期は10期目を数える。
1988年アメリカ合衆国大統領選挙へアメリカ・リバタリアン党としての出馬で、3位に終わる。
2008年アメリカ合衆国大統領選挙への再度出馬を表明、インターネットにおいて、名声が高く支持率が高い。
反対している政策の主なものは、連邦準備制度(FRB)、所得税(違憲であると主張)、国民皆保険など。
ニックネーム「ドクター・ノー」は、医学博士としての肩書きと、『提案された法案が、明確に、合衆国憲法に沿ったものでない限り、決して賛成票を投じない』という、強固な態度に由来している。
40市町 ブッシュ弾劾求める
- 「国民欺きイラク開戦」 / 米バーモント州 タウンミーティング
- 米北東部ニューイングランド地方のバーモント州(人口六十万人強)で2007年3月6日、各市町のタウンミーティングが一斉に開かれ、連邦議会にブッシュ大統領弾劾を求める決議が四十市町で、イラク派遣兵士の即時帰国を要求する決議が約二十の市町で採択された。
- ブッシュ弾劾要求決議は、同大統領が虚偽の情報を使ってイラクに大量破壊兵器があると唱え、国民を欺いて戦争を強行したことと、2001年の同時多発テロ事件後に違法盗聴を行っていたことを、主な理由にあげています。
- バーモント州議会は先月十三日、米軍のイラク増派に反対し、早期撤退を求める決議を上下両院で採択しています 。
- 決議には連邦議会への拘束力はありません。しかし、バーリントン市選出のザッカーマン州下院議員(進歩党)は、「立法府で新たな議論を促すのに役立つ」「大統領は引き続き釈明を迫られる」と、決議が広がった意義を強調しています。
出所:2007年3月11日(日)「しんぶん赤旗」
イラク戦争:数字で見る最新情勢
人的な損失
- イラクで戦死した米軍兵士数: 4,000人超( (2008年3月23日現在)
- イラク市民の推定犠牲者数(会戦以来): 最低8万1,632人、最大112万人
- イラク国内の難民数: 340万人 イラク国外に脱出した難民数: 220万人−240万人
- 米国が受け入れたイラク人難民数( 2008年1月24日現在): 5,742人
- イラクで活動する民間軍事請負企業従業員数: 18万人
戦争費用
- イラク戦費用のうち、支出済みの金額: 5,260億ドル(約53兆8,297億円)
- 1日あたりのイラク駐留費用: 2億7,500万ドル(約280億8,951万円)
- 1ヶ月あたりのイラク・アフガニスタン駐留費用: 4,100ドル(約41万8,915円)
- アメリカ国民1世帯あたりのイラク戦争負担金額: 4,100ドル(約41万8,915円)
- イラク戦争の長期的費用見積額: 3兆ドル(約306兆5,240億円)
(経済学者ジョセフ・E・スティグリッツ教授による算出)
イラク国民の苦しみ
- イラク国内の失業率は25−40%(大恐慌時の米国失業率は25%)
- イラク国民の70%は水道水が利用できない暮らし
- イラク国内にある180の病院のうち、90%が基礎治療・外科治療設備を欠いている
- イラク国民の79%が有志連合軍の駐留に反対している
- イラク国民の78%が、総合的にみて事態が今後も悪化すると考えている
ワシントン『政策研究所』 Foreign Policy In Focus, “The Iraq Quagmire”
http://www.fpif.org/fpiftxt/5036
反・グローバル活動の高まり
- 20世紀後半に、欧米主導の「市場原理主義」に基づく新自由主義経済政策が世界各国へと導入されました。
- 冷戦終結は、国際機関(WTO、世界銀行・IMFなど)主導で世界の市場経済の一極化、単一化の流れを加速させました。
- この間、国際金融カルテルや、多国籍企業群(MNEsと表記)のお金は、国境を越え飛び交い、貧困と格差が広がりつつあります。
- 日本でも小泉政権以降、弱肉強食の「構造改革」路線や自衛隊の海外派兵恒久法検討など、欧米財界中心の政治が進んでいます。
- 「グローバリゼーション」とは、経済発展を遂げた者に、世界的権力がさらに集中していくシステムです。
- なぜブッシュ大統領やイラクで展開する、 MNEsが否定されなければならないかというと、それは体の良い(新)植民地主義であり、世界各国の憲法や「世界人権宣言」や「国際人権規約」の中で保障される社会権を冒涜するものだからです。
- 現在、WTO・多国籍企業群(MNEsまたはMNCsと表記)などが押し進める「グローバリゼーション」は、多くの国際NGOによる「反グローバリゼーション」の市民運動とのせめぎあいに揺れ動いています。
お願いとお礼
- 世界中の指導者、知識人とアメリカ政府、議会、軍関係者などが、9・11の再検証を求めています。直近の米CNNの世界規模の世論調査では、「9.11は、米政府による自作自演だと思うか」の質問に、75%が「はい」と回答、「政府の説明を信じる」と回答した人はわずか12.7%でした。米国政府を相手にした裁判なども行われていますし、「弾劾」活動も、欧米メディアには、公平に報道されています。にもかかわらず、日本のメディアは、アルカイダ犯行説のみを報道し、藤田幸久議員の勇気ある行動に対し、週刊文春のように、中傷記事を書き、「正語」を離れるような姿勢も見受けられます。 この度の「弾劾」活動の実態が、藤田議員の活動の一助となり、「世界人権宣言」や「国際人権規約」の中で保障される社会権を守る何らかの役に立つことを切に願う次第です。
- 国民を代表し、藤田議員の今後ますますのご活躍を祈念しております。
頓首