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<第1章 日本国破産−今そこにある危機−>日本人が知らない 恐るべき真実

第1章 日本国破産−今そこにある危機−目次>>出口なし!

出口なし!

<2005.08.19>

さて、これまでみてきたように、どう考えてみても日本の将来は明るくないようです。
ただ、財政破綻は「破産」ではありますが「破滅」ではありません。「破産」だけなら一からやり直せば良いだけです。

しかし、独特な経済構造を作り上げてきた日本は、また独特な社会構造を持っています。この独特な社会構造が破滅的な状況を呼び込む可能性があります。次に、財政破綻がもたらす「破滅的な状況」とはどんな事態かを想定してみましょう。

人間なら誰でも、なるべくなら怖いものをみたくなし、できれば考えたくもない。しかし、目をつぶって見ないようにしたところで、その状況が変わるわけではありません。リスク管理として、最悪の事態を想定し、その対策を考えておくことは必要です。

では、本当に国債と日本円が暴落してしまった場合、どんな状況が訪れるのでしょう。

まず、銀行に預金していたお金、郵便貯金に貯蓄していたお金、年金のために積み立ててきたお金、保険のために積み立ててきたお金、もちろん、手元に持っているお金もすべて紙切れとなり、海外に資産を逃避させている人以外は無一文となります。
国は予算が組めなくなり、公務員および行政に仕事を依存してきた人たちは職を失います。
また、金融機関も次々と倒産し、企業は資金繰りができなくなり、ほとんどの企業が倒産していきます。
街には失業者があふれ、生活に困窮した人や自暴自棄になった人により犯罪が多発します。
ただし、犯罪を取り締まる警察官も、裁く裁判官もいないので、無秩序状態に陥ります。
つまり、日本経済そして社会は機能不全となり大混乱が起こるでしょう。

さて、ここまででも十分悲惨な状況ですが、もっと酷い事態が想定されます。

それは日本の致命的な欠陥、食糧不足です。食糧の確保は国家安全保障の要です。食糧がなければ人間は生きていくことが出来ません。
しかし、日本は現在、その食糧をほとんど輸入に頼っています。

【グラフ】食糧自給率

日本の食糧自給率は、穀物ベースでみると28%、カロリーベースでみても40%しかありません。
40%しかないということは、海外から食料が輸入できないとなると60%の人が飢えるということです。

これまでは「円」に力があったので外国から食料を買うことができましたが、「円」に力がなくなると外国から食料を買うことができなくなります。そのときに何が起こるか、考えただけでもゾッとします。

我が国では、政府が非常時に備え農産物の備蓄をしています。その量は、お米が100万t、大豆が5万t、備蓄飼料穀物が100万t、小麦が100万tです。この備蓄量では米ならわずか1ヶ月半しか持ちません。

【グラフ】減少する耕地面積

【グラフ】減少する農業就業者数と高齢者割合

また、耕地面積も農家数も年々減少しているので、緊急時だからといって、急激に食糧を増産することは難しいはずです。さらに、日本の農業は石油に依存する近代農法となってしまっているので、石油がなければ作物の生産も難しくなります。

この石油およびエネルギーも自給できていないという点も二つ目の致命的な欠陥です。

【参考】エネルギー消費の動向
http://www.enecho.meti.go.jp/energy/japan/japan01.htm

ここに示されたグラフが示すとおり、エネルギー消費量とGDPの伸びは、ほぼ一致しています。
つまり現代社会における経済活動および日常生活にとって、エネルギーは欠かすことのできない重要な要素です。しかし、日本には、石油、石炭、天然ガス等の主要なエネルギー資源がほとんどありません。
このためエネルギー自給率は、主要先進国の中最低の4%となっています。(4%のほとんどは水力発電によるもの)

なお、原子力の燃料となるウランは、一度輸入されると数年間利用できることから、資源エネルギー庁では、原子力を準国産エネルギーと位置付け、エネルギー自給率は20%であるとしています。
我が国では、石油も非常時に備え備蓄していますが、その備蓄分は91日、やはりこちらも3ヵ月しか持ちません。3ヵ月で日本経済が復旧する保証はどこにもありませんし、この石油が尽きれば、自動車も電車も動かなくなり、交通・運輸はマヒします。また、電気は止まり、コンピューターやテレビ、エアコン、冷蔵庫も動きません。今の医療は精密機械に頼っていますから、たくさんの病人が助からなくなるでしょう。

さて、もうひとつ、とっても深刻な問題があります。
それはエネルギー資源の不足している日本にとって代替エネルギーとして推進してきた原子力発電です。

原発を運転すると必ず放射性廃棄物というものが出ます。
放射性廃棄物には低レベル放射性廃棄物と高レベル放射性廃棄物の二種類あり、低レベル放射性廃棄物は劣化ウラン弾として使用されているので問題がないわけではありませんが、ここで取り上げる火急の問題は高レベル放射性廃棄物の方です。

高レベル放射性廃棄物とは、再処理施設で使用済燃料からウランやプルトニウムを分離・回収した後に残る、核分裂生成物を主成分とする廃棄物で、放射能濃度が高い廃棄物のことを言います。高レベル放射性廃棄物は、低レベル放射性廃棄物に比べその発生量自体は少ないのですが、放射線の管理に注意が必要な半減期の長い核種も比較的多く含まれているので、長期間にわたり、私たちが住む環境から隔離する必要があります。

このため、高レベル放射性廃棄物は、ガラスと混ぜて溶かし「キャニスター」と呼ばれるステンレス製の容器に注入したあと、冷やして固めます(これを「ガラス固化体」と言います)。このガラス固化体は、熱を出すので、冷却のため30〜50年間程度一時貯蔵し、最終的に地下300メートルより深い安定な地層中に処分される予定です。

しかし、高レベル放射性廃棄物をガラスと混ぜれば安定した固化体になって放射能を封じ込めることができるといわれていますが、この技術は決して確立したものではありません。
高レベル廃棄物の放射能の寿命には数100万年を越えるものもあります。
また、冷却のための30〜50年間ですら高レベルのガラス固化体を詰めた「キャニスター」が持つ保証はありません。

強烈な放射線と熱にさらされつづけるステンレス製のキャニスターがどのように腐食し、いつからどの程度放射能が漏れだすのかは、まさにやってみなければ分からない状態なのです。

この「キャニスタ−」1本に詰められた放射能は、広島に落とされた原爆の約30発分といいます。

日本にある原発53基から日々生み出される高レベル放射性廃棄物は、
平成15年末現在、青森県六ヶ所村に760本、
茨城県東海村に130本、
合計890本が「キャニスタ−」に詰められ冷却保管されています。

原発や再処理施設は国の補助がなければ運営が立ちゆかなくなります。この危険な施設の現場で働く人は、高収入ゆえ危険を顧みず働いています。円が暴落して価値がなくなった時、あるいは賃金が下がった時、誰がわざわざ命の危険を冒してまで、この施設で働くというのでしょう。もし、この危険な高レベル放射性廃棄物を管理する機関が破綻したり、現場で働く人がいなくなり、放置された場合、どんな事態が起きるのでしょう?

原爆26700発分の放射能に汚染された日本に住めるわけがありません。いえ、被害は日本だけに留まるものではありません。広島で原爆が爆発した瞬間、火球から放射された熱線は、爆心地から3.5kmまでの地域にいた人々に火傷を負わせたという話があります。
単純計算して26700×3.5=93450km。
日本の全長がわずか3600km、地球一周の距離は約40000kmですから、地球全土が放射能に汚染されるとみてよいでしょう。
この高レベル放射性廃棄物の半減期は数千年。まさに人類は破滅し、地球は「死の星」と化すかもしれません。

実際、このような最悪のシナリオが現実となる可能性は低いと思います。ただし、決してゼロではありません。不安を煽るようなことは本意ではありませんが、最悪の事態を想定しておかないと、危機管理として十分な対策をおこなえません。また、このような危険性を日本社会が内包しているという事実は、これから「明るい未来」をつくっていくにおいて、何をすればよいのかを示唆してくれます。

☆20年間、原子力発電所の現場で働いていた配管技能士、平井憲夫さんが「原発がどんなものか知ってほしい」と題して、外部からはうかがいしれない原発の内情を告発しています。
とても興味深い内容ですので、是非ご覧ください。
http://members.at.infoseek.co.jp/genpatsu_shinsai/

★column★
劣化ウラン弾は、原発の廃棄物処理!?

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