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<第4章 お金の秘密>日本人が知らない 恐るべき真実

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銀行を通した地方から中央へのお金の転移

<2005.09.15>

ところで、銀行は、お金の集中と不公平な分配にも貢献しています。

地方で市民が働いて稼いだお金、企業や商店が稼いだお金は、銀行の支店に預けられます。
その支店に預けられお金は、支店から都心にある本店に集められます。

銀行は安全・確実にお金を増やさなければならないので、本店はそれを元手に、着実にお金を増やしてくれる国債を買ったり、大企業・多国籍企業にお金を貸したり、ヘッジ・ファンドで運用したりします。

地方で稼がれたお金が、その地方へ再投資されることはまずありません。
戻ってくるのは、わずかばかりの金利のみです。

都心の本店でお金を運用する人にとっては、地方にどんな事業が必要なのかわかりませんし、その人たちの仕事は「お金を増やすこと」ですから、高い金利が稼げるところでないと投資されません。
銀行もまた「利潤を追求する営利企業」なので当然といえば当然なのですが…。

地方には自らお金をつくり出す機能がないので、政府による再分配=公共投資が必要になります。

公共事業がおこなわれ、地方交付税・交付金や補助金が配られていきます。
ただ、資本主義社会では、回収性と収益性があるところにしか投資できません。
つまり、お金を投資したら、それ以上の金額を回収できる事業にしか投資はできないのです。

しかし、社会にとって必要性がある事業に回収性と収益性があるものは決して多くありません。むしろ、回収できない事業の方が多いでしょう。

それでも公共投資がなければ地方経済がもたないので、無駄な公共事業もおこなわれます。
ただ、そうして投資されたお金も、再び銀行に預金され、中央に流れていきます。

これが繰り返された結果は、第一章でみてきた通りです。
財政赤字が膨らみ、無駄な公共事業がおこなわれ、自然もたくさん破壊されました。

しかし、これ以上、財政赤字を膨らますことも、無駄な公共事業をおこなうことも、自然を破壊することも出来ない状況に追い込まれています。

私たち人間は、今あるシステム以外の、もうひとつのお金のシステムを必要としている時期にきているのではないでしょうか?

次章では、これから必要となる新しいお金のシステムを提案したいと思います。

その前に、再度、これまで述べてきた要点をまとめ、根本的な原因について整理しておきましょう。根本的な原因がわかれば、対策をたてるのも容易になります。つまり、その逆をおこなえば良いのです。

○まとめ

  • お金は財・サービスを乗せて運ぶ船のようなものであり、人間が本当に必要なのは財・サービスなのだが、その船に乗らないと手に入らない状態になっている。
    そして、その船は常に足りない状態におかれる。
    船をめぐる競争が起きる。
  • お金は交換手段だが、同時に価値の貯蔵手段でもある。
    競争の激化など社会に不安が増大すると、お金は貯蔵される。
    お金が貯蔵されると交換のためのお金が少なくなり、取引が滞り、さらにお金が循環しなくなる。
    お金は社会の血液のような役割を果たしているので、その血液が届かなくなったところから壊死していく。
  • 利子のつくお金は経済成長を常に求める。
    かつては経済成長すれば皆が豊かになると思っていた。
    しかし実際は経済格差が拡大し、環境破壊が進むのみ。
    貧者が増えれば消費は減り、結局、成長は止まる。
  • お金は利益を求めて移動する。
    常に利益を上げ続けられれば良いが、それができなければ多くの人の生活を破壊する。
  • 地方にはお金を生み出す機能がなく、投資されない。
    政府が再分配をおこなうが、公共事業には回収性がないので財政赤字が膨らむ。

○根本的な原因とは

  • お金は必要な分より常に不足している。
  • お金に「交換手段」と「価値の貯蔵手段」という相反する機能がついている。
  • お金の使用に利子という利用料がつく。
  • お金は本質的に債務であり、期限内に返済しなければならない。
  • お金は利益を求めて移動する。
  • お金の価値に裏付けがなく、価値は金融市場によって決められ、生活者には決定権がない。
  • お金の発行権が利潤目的の銀行に独占されている。

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