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<第4章 お金の秘密>日本人が知らない 恐るべき真実

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利子の問題点

<2005.09.10>

貨幣改革論者たちの間では「利子」という存在が、現在の貨幣システムにおける最大の問題点だとされています。

利子によって豊かな者はより豊かに、貧しい者はより生活が苦しくなってしまいます。

ところで皆さんは、利子は誰が払うものだと思っていますか?

直接的にはお金を借りた人、つまり債務者です。
しかし、実際には間接的に私たち誰もが負担しているのです。

事業を起こすには資本金が必要です。
資本金は事業者が自分で貯めたり株を発行して調達したりしていますが、実際に事業を運営するには自己資本金だけでは足りず、ほとんどの企業が金融機関からお金を借りています。
お金を借りれば当然利子がつきます。
この利子の分も経費として価格に含まれています。

利子の計算には単利と複利【※1】がありますが、複利の場合、その効果は破滅的なものです。

【表】単利と複利の差

元金を100万円、金利を年5%とした場合

○単利の場合○複利の場合
1年経過105万円105万円
3年経過115万円115万円
5年経過125万円127万円
10年経過150万円162万円
30年経過250万円432万円
50年経過350万円1146万円
70年経過450万円3042万円
100年経過600万円1億3150万円

たとえば1千万円を年利5%の複利で借りたなら、15年後には倍の2000万円を返済することになります。そして、これは返済期間が長くなれば長くなるほど雪だるま式に膨らんでいきます。
複利5%で1千万円借りて50年返済だとしたら総額1億1467万3910円も返さなければなりません。実に利子だけで1億円を超えてしまいます。

現在、日本の貯蓄は世界最高で約1400兆円にもなります。
この預貯金にも利子がつきます。この利子はどこからくるのでしょう?
決して無から生まれるわけではありません。
預金も貯金も企業や公的な機関に貸し出され、料金の一部として組み込まれ、結局、私たち皆が負担しているのです。

日本の一般的な製品の流通過程は、
原料生産者→加工業者→問屋→小売店
となっています。
また、その間に流通業者も挟まれています。
そのそれぞれが金融機関からお金を借りていて、それぞれの利子が価格に組み込まれています。

ドイツでおこなわれた調査では、平均して価格の20%〜40%は、利子ないし資本部分でした。
これは私たちの住宅ローンに置き換えると、その金利負担がどれだけ大きいか理解しやすいと思います。
住宅購入資金の3000万円を、現在の低金利の年利1.7%として35年ローンを組んだ場合、35年間の総支払額は3982万5513円となります。
約1000万円、33%もの利子を払うことになります。

平成13年度の東京都交通局の決算をみれば、収入は1724億円で、出費は2080億円、356億円の赤字でした。
このときの利払い費は399億円。収入に対して23%の負担です。
もし利払い費がなければ黒字決算です。

平成15年度の日本道路公団の決算をみると、収支額が1兆8571億円、そのうち利払い費は4295億円で23%を占めました。

住宅ローンや公的事業は優遇され低金利で融資が受けられますが、一般企業はそうはいきません。
いったいどれだけの巨額なお金が自動的に金融機関に流れ込んでいるのでしょう。

そして、そのお金のもとを正せば、私たち皆が労働して稼いだお金なのです。

【※1】複利 複利というのは利子に利子がつくもので長期的な貸付などで採用されるものが多いものです。

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