強制される経済成長
<2005.09.11>
たとえば、100万円借りて元本の100万円のみ返せばよいのなら経済は成長させなくてもすみますが、100万円借りて元本+利子で110万円返さなければならないとなると、10万円分売上げを増やさなければならない⇒経済成長しなければならないのです。
資本金は経済活動の根幹です。
今の社会では、この根幹部分に利子が付き、その費用を賄わなければならないので、経済を成長させ続けなければならないようになっています。
つまり、経済を無限に成長させていくことが強制されているともいえます。
しかし、ご存知の通り、地球は有限です。
経済活動は、地球の生産能力および浄化能力の範囲内でしか持続的におこなうことはできません。
つまり、無限の成長は不可能なのです。
現在の経済では、自然は無料で資源を提供してくれる存在と見なされています。
本来は自然を破壊したら、その修復コストを支払わなければなりません。
しかし、価格競争の厳しい中で、修復コストを支払っていては競争に敗れてしまいます。
社会的に破綻したくなければ環境に負荷をかけても経済成長させ続けなければならない。
しかし、このまま経済成長を続けていけば、やがて環境的破滅に行き着きます。
社会的破綻か環境的破滅か、人類は今、大きなジレンマの中でもがき続けている気がします。