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コラム

■ 個人金融資産1400兆円って誰が持っている?

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新聞紙上などで「日本人の個人金融資産は1400兆円」と報道されていますが、自分や周りの人々の生活をみてもそれほどあるように思えません。
いったい誰がそんなにお金を持っているのでしょう?
【貯蓄保有高の平均値と中央値】

日本銀行の「資金循環勘定」によれば日本人全体の個人金融資産は1421兆円(2001年末時点)となっています。その1421兆円の内訳は次のようになっています。

種類別保有高
現預金771兆円
株式以外の証券84兆円
株式61兆円
保険・年金準備金408兆円
その他97兆円

次に1世帯あたり貯蓄保有高の年代別平均の分布をみると下記のようになります。

年代別平均貯蓄保有高
20歳代278万円
30歳代692万円
40歳代1091万円
50歳代1557万円
60歳代1860万円
70歳代1787万円

この平均値が1439万円なのですが、60歳以上の高齢者など少数の高額保有世帯によって平均値が引き上げられています。全世帯の約6割が平均値を下回っているわけですから、多くの人にとって実感とかけ離れた印象を受けるのも無理はありません。

また、個人金融資産が1421兆円である一方、負債も383兆円あります。

負債を引いた金融資産は1038兆円(▲26%)となります。
さらに、個人金融資産1400兆円には個人事業主の「事業用資金」が半分近くも含まれています。つまり、この統計数字は純粋な個人資産のみではないようです。

そこで、純粋な個人資産として見ることができるサラリーマン世帯(勤労者世帯)に限定し、かつ、退職金・被相続による収入等が加えられている可能性のある年齢者を除いた「25歳〜49歳の世帯平均」をみてみましょう。

225〜29歳資産 473万円−負債 229万円=純金融資産 244万円
30〜34歳資産 648万円−負債 556万円=純金融資産 92万円
35〜39歳資産 853万円−負債 621万円=純金融資産 232万円
40〜44歳資産 1120万円−負債 934万円=純金融資産 186万円
45〜49歳資産 1367万円−負債 852万円=純金融資産 515万円

世界的にみれば日本人は裕福であることに間違いありませんが、教育費や住宅ローンに追われる30〜44歳の中間世代の暮らしは、決して楽とはいえないようです。

【2005.8.】

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