Anti-Rothschild Alliance

HOME

<第2章 グローバリゼーションはユートピアを実現するか?>日本人が知らない 恐るべき真実

第2章 グローバリゼーションはユートピアを実現するか?−目次>>マネーゲームの功罪

マネーゲームの功罪

国際的な投機マネーも途上国の経済を破壊してきました。

<2005.08.25>

1997年の夏、タイのバーツが暴落したのをきっかけに、インドネシアや韓国などで連鎖的に通貨が暴落し、金融機関や企業破綻が相次ぐ経済混乱に陥ったことは記憶に新しいことと思います。
その原因はヘッジ・ファンドなど欧米の投機筋が一斉にアジア諸国から短期資金を引き揚げたのが要因とされています。金融市場の自由化という政策が各国で採用されると何が起こるか?その構造をみてゆきましょう。

お金は、より高い利益が得られるところを探して流れていきます。
タイはそれまで年間平均で経済成長率9%を記録していました。景気の良いところは金利が高いので、それを目指して外国からお金が流れ込んできます。外国から流れ込んだお金は、その国の通貨に変えられたり、銀行に預金されたりします。
そうすると、その国のお金の量が増えることになります。
お金の量が増えれば、余っているお金を貸し出そうとする人が多くなり、貸し出し競争がおこります。貸し出し競争がおこれば、需要と供給の関係で利子は下がります。利子が下がるとお金を持っていても余り増えないので、お金持ちはお金以外の資産に変えようとします。
そうすると資産の価格が上がる。それはその国の経済の評判をよくします。そうすると、その国のお金の価値は、別の国のお金より価値が高くなります。高い価値を持つ通貨の国は、同じ量の商品を外国から買う場合もより安く買えるので有利です。

しかし、このような好景気は、その国の人たちが自分で手に入れたものではありません。

投機家たちは、その国を豊かにしようと思って投資をしてくれているわけではないので、その国の経済がおかしくなりそうだとか、他にもっと利益が上がるところがあれば、すぐそちらへお金を移動させます。

そうなると、その国のお金の量は減ります。お金が減ると利子率が上がります。利子が上がるとお金を借りて事業をしている人は、利息の負担が増え、事業がうまくいかなくなる場合もでてきます。新しく人を雇うこともできなくなるし、倒産するところも出てくる。失業者が増えれば、景気も悪くなり、悪循環が始まる。経済がうまくいかなくなると、その国のお金の価値も下がり、これまでと逆の現象が起き、輸入では同じものを買うにも余計に支払うことになり、貿易赤字が増えることになります。

政府は、自国のお金の価値を下げないために、為替市場で自国のお金を買って価格を維持しようとしますが、経済が悪循環に陥っている国にそれほどお金があるわけではないので、国際機関であるIMFに融資をお願いすることになります。

IMFは融資の条件として前述のような構造調整プログラムを強要しますが、この中には高金利政策というものがあり、年利40%とか、50%を超えるとか、サラ金もビックリの高金利に設定されます。
この高金利政策は国内から海外へのお金の流出を食い止め、また、海外から国内へお金を呼び込むために行われますが、国内の事業者にとっては致命的です。
金融機関からお金を借りなくても事業ができる大資本以外は国内の事業が壊滅状態となります。

国内産業が多国籍企業の下請けとなり、医療、教育、福祉を切り捨てられた途上国から、今、猛烈な反グローバリゼーションの声があがっているのは必然の結果といってもよいでしょう。

★column★
ボリビアの水戦争

このページのTOPへ