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<第3章 国際金融資本に支配される世界>日本人が知らない 恐るべき真実

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“無”から創造されるお金

<2005.08.06>

日本語で紙幣と手形は違うことばで表現されますが、英語では紙幣も手形「notes」「bill」「draft」です。
つまり、ドルというお金の正体は、米国政府が発行する国債を担保に、ニューヨーク連邦準備銀行が政府に貸し付けた手形=債権証書なのです。

たとえば、米国政府が1億ドル必要だとしましょう。
そうすると連邦準備銀行は、米国財務省から国債を購入し、政府の口座に1億ドルを振り込みます。
この1億ドルは誰かの口座から借りてきて振り込んだお金ではありません。
連邦準備銀行が何か実物的な資産を提供しているわけでもありません。
ただ、米国政府の口座に1億ドルと記入するだけです。

連邦準備銀行は口座に数字を記入するという行為だけで"無"から1億ドルを創造するのです。
そして、政府は1億ドルを受け取り、公共事業等の出費として米国社会に1億ドルが流れていきます。

さて、政府は時が来たら返済時に利子をつけて返さなければなりません。
仮に利子をつけて1億500万ドルを返済するとしましょう。
米国政府は国民から税金を集め、1億500万ドルを返済しなければなりません。
しかし、世の中に出回っているお金は1億ドル。
500万ドル足りません。
政府が1億500万ドル返済するには、新しく国債を発行し、世の中に流し、回収するしかありません。
一度、財政規律を踏み外した政府の借金が規則的なリズムで大きくなっていく理由がここにあります。

銀行は"無"からお金を生み出し、国民はそれに対して利息を支払う義務を負う。

また、政府は財政赤字を積み上げていく。

そして、このマジックのようなお金を使って世界中から米国に実質的な富が流れ込んでいく。

その利益が最終的には国際的な金融資本に流れ、銀行家は『労働なき富』を築き上げていく。
これって何だかヘンじゃありませんか?

さて、ここで再度「国家」というものについて考察してみたいと思います。
社会学者マックス・ウェーバーは、著書『職業としての政治』の中で
「正当な暴力を独占し得る唯一の組織、それが国家である」
と定義しました。

正当な暴力には「警察力」「処罰権」「交戦権」の3種類がありますが、この権限に基づいて国家は法を遵守させることができ、また国民を守る【※1】ことができるのです。

ただ、「警察力」「処罰権」「交戦権」を行使するには、警察所、裁判所、軍隊等に人を雇わなければなりません。
その費用は原則的には"税収"によってまかなわれます。

現代では企業が営利活動をしなければ、税収を得ることはできません。

また、戦争のような非常時には税収だけでは足りず、金融機関に借金をしなければなりません。
人を雇う費用がなければ、「警察力」「処罰権」「交戦権」を行使することはできないのですから、法的には国家の方が上位に位置していても、経済の分野を切り離し民間に委ねている現代国家にとって、企業や金融機関が利益を出せるようにせざるを得ないわけです。

しかし、よく考えてみるとおかしな話です。

第一章で触れたように、国家はお金をつくる権利を持っているのです。
なぜ自分たちでお金をつくらず、企業の利益や金融機関からの借り入れに頼るのでしょう?

それは、一言でいえば「国家の運営者が、お金のことを知らなかったから」としか考えられません。
お金は常に謎につつまれた神秘的な存在でした。それがどうやってつくられているか、どうやって消えていくか、一般的にはほとんど知られていません。

多くの人は、お金は政府がつくっているものと誤解しているし、紙や硬貨でつくられたものがお金だと考えています。
そして、働ければ貰えて、それでいろいろなモノを買うことができるくらいの近視眼的な認識しか持っていません。
お金が神秘的なものであるかのような誤解は、銀行家・経済学者・エコノミスト等によってつくられてきたものです。【※2】
実際には、非常にシンプルで、かつ、それを知らない者を利用するような詐欺的な方法がまかり通ってきたのです。

次の章では、お金にまつわるこの"神秘のベール"をはがしていきたいと思います。

【参考】Money As Debt(日本語字幕版)
http://www.anti-rothschild.net/material/animation_01b.html

 

【※1】 統計の専門家ハワイ大学のR.J.ランメル教授の著書『政府による死』によれば、国家が20世紀の100年間に殺した人は、2億人を越えています。
殺されたのは外国人よりも自国民の方が多く、外国人は約7000万人、自国民は約1億3千万人。このうち、兵士は約3400万人、一般市民は約1億7000万人となっています。この数字をみると、国家は必ずしも国民を守っているわけではないようです。
【※2】 「知の巨人」といわれるジョン・ケネス・ガルプレイスは
「経済学においてマネーの研究というものは、ただ複雑なばかりか、真実を隠したり、避けたりしているようだ。これまで明らかにされた真実など、一つもない」
と語っています。

★column★
産業革命 −資本主義の発展への道筋(3)−

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