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<第3章 国際金融資本に支配される世界>日本人が知らない 恐るべき真実

第3章 国際金融資本に支配される世界−目次>>世界最強の通貨「ドル」の力

世界最強の通貨「ドル」の力

<2005.08.04>

さて、現代の覇権国家アメリカの通貨「ドル」は最強の通貨といってもよいでしょう。

第二次世界大戦は膨大な物資の消耗戦となり、広大な国土に豊富な資源を持つ米国は、その資源の供給国となりました。
その結果、世界中から金が米国に集まっていき、戦後、実に世界中の金の70%が米国にあったといわれています。

1944年のブレトン・ウッズ会議で、このことが決め手となり、米国のドルは世界の基軸通貨となりました。また
「米ドルのみが金と交換可能で、他国のお金はドルと交換できる」
という金為替本位制がとられることになります。【※1】
この時より、ドルは世界最強の通貨の地位を獲得します。

基軸通貨には、信じられないほどの特権があります。
それを説明する前にシニョリッジについて説明しておきましょう。

シニョリッジとは、通貨発行益といわれ、通貨発行者だけが独占的に得ることができる利益です。

昔、お金が鋳造貨幣(コイン)だった頃、貨幣を悪鋳すると、その浮いた分だけ実物的利益を得ることができました。
たとえば、金1g=1000円のとき、金1gを使って2000円金貨を鋳造すれば、貨幣発行者は1000円の差額を利益として得ることができます。
ローマ時代、軍事費と宮廷費を賄うため、貨幣の金含有量を減らせる「悪貨鋳造」は続き、貨幣による国民の富は搾取され続けました。
中世ヨーロッパや日本の奈良時代や江戸時代にも同様のことがおこなわれています。
貨幣発行者に自己規律がないと貨幣発行特権は濫用されるようです。

さて、当時のお金は金属で、原則的には、その金属の価値がお金の価値でした。
ところが、これが現在のような兌換性のない紙幣だと、お金をつくるのにかかる費用は印刷代と紙代だけ。ほぼ、まるまる差益となります。

今、これを世界的に見れば、シニョリッジによる利益は、基軸通貨であるドルを発行する米国が得ていることになります。
米国は、貿易で購入した製品に対し、米ドルを刷って渡すだけで、他国から好きなものを手に入れることができます。
他国のように汗水流し、苦労して輸出先を開拓し、商品やサービスを販売して稼ぐ必要はありません。

貿易相手国は、基軸通貨のドルなら、米国以外の他の国からも米ドルで商品を買えるという点に「ドルの価値」を認めています。
特に現代文明の源である「石油」を購入できるというのが、もっとも大きな信用となっています。
勿論、その他にも、圧倒的な軍事力や国際政治力もこれを支えていますが、結局、ドルの価値は米国以外の国々が米国を信用することによって国際的に維持され、その国際的信用を認めるからドルの価値が維持されるといった構造で成り立っています。 では、これほど信用されているドルとはどんなお金なのでしょう?

【※1】 1971年のニクソン・ショックで金為替本位制から現在の変動相場制に移行しました。

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