ワンポイントレッスン
■ 金利上昇の恐怖
関連page:<資料6>利払い費及び利払い比率の推移金利が上昇すれば国債残高は更に膨らみ、財政状況は自動的に悪化します。
また、金利の上昇は政府だけでなく、国債を大量に保有する民間の金融機関にも危機をもたらします。金利が1%上昇すれば、大手銀行の業務純益のほぼ半分に当たる2兆1000億円の評価損が発生します。
また、日本銀行は、私たちの使うお札の価値の裏付けに、国債、株式、米国債を多量に使っています。その額は、100兆円を越えて、危険域を遥かに突破しています。
市場価格によって価値が大きく変動するために危険なのです。
たとえば、金利が上昇すれば、国債の市場価値が下がります。長期金利が1%上昇すると、満期までの期間にもよりますが、10年もの国債の価値は5〜10%下がると言われています。
額面100円の長期国債であれば、価値が90〜95円に減ってしまうのです。
日銀は資産劣化の影響で32年ぶりの赤字に転落しています。
自己資本比率も7.33%まで下落し、理想とされる10%を3年連続で割り込んでいます。
株価もバブル期の75万5000円から5万円まで下落。
日銀は2005年3月現在、国債を100兆円も保有しています。その資産が下落したとき、「政府の銀行」であり「銀行の銀行」である日銀も倒産の危機に直面します。
そのため、現在は制度を変更し、国債の時価評価をとりやめています。
【2005.8.9】