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HOME>>講演録 TOP>>ロスチャイルド関連の世界史1700〜1800
前置きが長くなりましたが、いよいよ本題に入ります。
1744年、ドイツのフランクフルトにあるゲットーでマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドが誕生します。
この名前自体が非常に興味深いんですね。
初代ロスチャイルドの本名は、マイヤー・アムシェル・バウアーと言います。
マイヤーはドイツ人として一般的な名前です。アムシェルはユダヤ人として一般的な名前。ドイツ名の方が都合が良い場合はマイヤー、ユダヤ名の方が都合が良い場合はアムシェルと、時と場合によって使い分けられるんですね。
ロスチャイルドはドイツ語ではロートシルト。赤い標識という意味です。なぜ赤い標識かと言えば、フランクフルトでは金貸しは赤い標識を掲げる慣習があったのです。
つまり、自ら金貸しを名乗ったんですね。
1764年、マイヤー・アムシェルが二十歳の時にドイツ・ロスチャイルド商会を創設します。
このロスチャイルド商会は貸金業、両替業、古銭業を主に営んでいました。
両替業というのは、当時のドイツは230の小国に分かれていて、いくつかの小国がくっついて自由都市というのを形成しており、その自由都市ごとに違う貨幣を使用していたわけです。で、他の自由都市で買い物をする時は、そこの貨幣を使用しなければならない。だから、手数料を取って他の貨幣と交換する両替業というのがあったわけです。
貨幣には、それぞれの国の歴史や文化が刻んであるので、当時の上流階級の人たちにとって古銭を集めるのが高尚な趣味とされていました。初代ロスチャイルドは、おそらく世界初のカタログ販売を、この古銭業で始めたわけです。
1773年、先ほどお話した通り、初代ロスチャイルドが12人の実力者を招いて全世界の支配権を得るための秘密会議を開催します。
1775年、ドイツの名門貴族ヘッセン家のヴィルヘルム9世と古銭業を通じて知り合い、その財産運用を任せられます。
当時は米国独立戦争の最中であり、ヘッセン家は独立戦争を鎮圧するための傭兵をドイツで鍛えて英国政府に貸出すというビジネスをしており、個人としてはヨーロッパ最大の資産家でした。このヘッセン家の資産が、のちにロスチャイルドがのし上がる種銭となります。
1776年、ロスチャイルドが資金提供して、インゴシュタット大学法学部長のアダム・ヴァイスハウプトが秘密結社イルミナティ(光明会)を創設します。
アダム・ヴァイスハウプトは、わずか24歳で大学教授になった「早熟の天才」と言われたユダヤ人です。
このイルミナティの共同設立者として、あのヤコブ・フランクが名前を連ねています。
イルミナティは、その目的を「知的に有能な人々に世界を支配させ、すべての戦争を防止させるために、世界統一政府を作ることにある」とし、当時の最も聡明と言われた人々、二千人もの信奉者を集めたということです。
結社を結成した5月1日に、ヴァイスハウプトは『Novus Ordo Seclorum』という本を出版しています。 Novus ordo seclorumはラテン語で、英語ではNew World Order、つまり新世界秩序となります。
同じ年の1776年、アメリカがイギリスから独立します。
独立宣言に署名した60名のうち41名がフリーメーソンであり、歴代大統領のうち約六割がフリーメーソンから出ています。
有名な所では、ジョージ・ワシントン、ジェームズ・マディスン、ジェームズ・モンロー、セオドア・ルーズベルト、フランクリン・デラノ・ルーズベルト、ハリー・トルーマン、リンドン・ジョンソン、ジェラルド・フォード、ロナルド・レーガン、ジョージ・H・W・ブッシュ、ビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュなどですね。
こう言うと、ありがちなフリーメーソン陰謀論と同じように聞こえるかもしれませんが、フリーメーソンはHigh societyな人々の親睦団体・慈善団体であり、有望な人材の勧誘、育成機関として利用されてきたのだと思います。
1784年、バイエルン政府はイルミナティを非合法組織と指定し、大東社の閉鎖を命じました。
ヴァイスハウプトはフリーメーソンのブルー・ロッジに潜入し、秘密結社の内部に自らの組織を作るように指示をします。
ちなみに、フリーメーソンは古くからある秘密結社で、石工の組合等いろいろな説がありますが、1717年にロンドンで「グランド・ロッジ」が結成され、近代化が図られました。
その時の規約の中で「フリーメーソンの理想は、社会や国家を改良して、普遍的人道主義的な世界共和国を建設することである」と述べています。
どうやら、この近代化をおこなったのがサバタイ派のユダヤ人だったようです。
で、このイルミナティの閉鎖命令が出た時に、フリーメーソン組織の中でフランキストとサバタイ派が合体して、サバタイ派=フランキストになったのではないかと思います。
ここでマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドの世界革命行動計画を思い出してみましょう。
「16.フリーメーソンのブルー・ロッジ内部に大東社を組織して破壊活動を実行しながら、博愛主義の名のもとで、自らの活動の真の意味を隠すことは可能である。」
そのままですね。(苦笑)
1789年、フランス革命が起きます。
この革命の主体となったのはフリーメーソンでした。のちにフリーメーソン自身が「フランス革命は我々の革命だった」と認めています。
「自由・平等・博愛」を掲げるフランス議会が、ユダヤ人に平等の権利を認め、ナポレオンがゲットーを解体。迫害されていたユダヤ人たちは解放され、政治家、将軍、知識人、芸術家など社会の表舞台に躍り出ます。
ロスチャイルド家は、一族であるモーゼズ・モカッタ銀行を通してフランス革命へ資金を提供しました。
その他の資金提供者もダニエル・イツィッヒ、デヴィッド・フリートレンダー、ヘルツ・ガリビール、ベンジャミン・ゴールドシュミット、アブラハム・ゴールドシュミットといったユダヤ人銀行家たちでした。
この絵はフランス人権宣言の絵ですが、ご覧の通り、上の部分に“ピラミッドに万物を見通す眼”という彼らのマークが光っていますね。
再びマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドの世界革命行動計画を見てみましょう。
「10.我々は「自由・平等・博愛」という言葉を大衆に教え込んだ最初の民族である。<中略>ゴイムの自然発生的で世襲的な貴族社会の廃墟の上に、我々は金による貴族社会をつくりあげた。」
これも、そのまんまですね。