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続いて金融の歴史について、これもざっくりと簡潔にまとめたものをお話します。
国際的な金融システムをつくりあげたのはユダヤ人でした。
昔のヨーロッパのキリスト教社会では、ユダヤ教徒は“キリストを十字架にかけて殺した罪人”として迫害されていました。
ほとんどの職業に就くことが禁止され、土地を持つことも制限されたため、農業を行うこともできませんでした。
唯一の許された職業が、キリスト教徒から忌み嫌われた利子を取り扱う職業=高利貸し(質屋)や金塊の保管人、両替商(貿易決済業)などでした。
当時、ユダヤ教もキリスト教やイスラム教も、利子の徴収は原則として禁じられていたのです。利子を取ることの弊害を経験的に知っていたのでしょう。
しかし、ユダヤ教だけは例外として、異教徒から利子を取ることは許されていたのです。
何故ユダヤ教だけが例外だったかと言えば、ユダヤ教徒にとって異教徒は人間ではないんですね。相手は人間じゃないから何をしても良いという発想を持っていたわけです。
中世になってルネサンスや宗教改革が起こり、政治と宗教が分離され、キリスト教会から国王に司法権が移り、その後、フランス革命などを経て国民が力を持つようになりました。
教会は国民の経済活動に口が出せなくなり、利子を取ることは罪悪ではなくなりました。
ところが、それまで利子は罪悪だっただけに、金融の技術はユダヤ人の専売特許だったのです。
ユダヤ人は弾圧を受け、世界中に拡散していました。
この離散状態を生かし、貿易決済業にたずさわるようになり、為替技術を発達させます。
そして、保険や株式会社、債券、銀行券などを発明していくことになります。
このように、現在の金融業は、ユダヤ人の迫害から生まれてきたともいえるものです。
ユダヤ人は自らの構築した金融システムのノウハウを積極的に提供していきました。
それが、産業革命という時代の波にのり、資本主義を世界に広めていくことにつながります。
産業振興や侵略戦争など、国家の運営に必要な資金を最も上手に調達できるユダヤ人は、ヨーロッパの各国の王室にとって必要不可欠な存在となり、国家財政や金融政策を担うようになりました。
その中でも最も強大な影響力を持った存在、それがロスチャイルド家の人々でした。