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イスラエル・ロビーと米国の外交政策

1.偉大な恩人

1973年の10月戦争以後、米国政府は他国への援助を矮小化させるほどの水準の援助をイスラエルに供与してきた。それは直接の経済的・軍事的援助としては年単位で見て1976年以降は最大の被援助者であり、合計額で見ても第二次大戦後の最大の被援助者である。その総額は2004年のドル換算で1400億ドルを越える。イスラエルは毎年約30億ドルの直接援助を受ける。これは対外援助予算のほぼ五分の一であり、イスラエル国民一人あたり約500ドルに相当する。この金額の多さは、イスラエルが今やスペインや韓国と等しい国民所得水準の富裕な工業国であるということを考えれば注目に値する。

他の被援助国は四半期ごとの分割払いで資金を受け取るが、イスラエルは全額を年度の初めに受け取り、それにより利息収入を得る。多くの軍事目的の被援助国はその全額を米国で支出することを必要とされるが、イスラエルは配分額の約25%を自国の軍需産業への補助金に使うことを許されている。イスラエルは援助がどのように支出されたかを説明する必要のない唯一の被援助国であり、その為に援助が米国の反対する目的、例えばヨルダン川西岸での住宅建設などに使用されることを防ぐことが実際に不可能になっている。更に、米国は30 億ドル近くの金を武器システムの改善の為に供給し、ブラックホークヘリコプターやF-16戦闘機などの最高位の武器を入手させてきた。最後に、米国は NATOの同盟国に与えないような機密情報をイスラエルに供与し、イスラエルが核兵器を保有することに目をつぶった。

米国政府はイスラエルに継続的な外交的支持も与えてきた。1982年以降、米国はイスラエルを批判する32の安保理決議に拒否権を行使したが、これは他の常任理事国の拒否権行使の合計よりも多い。米国はアラブ諸国がイスラエルの核兵器をIAEA(国際原子力機関)の議題にすることを妨害してきた。米国は戦時にはイスラエルを助け、和平交渉時にはイスラエルの立場に立った。ニクソン政権はソ連の干渉の脅威からイスラエルを守り、10月戦争の時にもそれを再供給した。米国政府はこの戦争を終結させた交渉と、その後の段階を追った長期に渡る過程の両方に深く関与した。それは、米国が1993年のオスロ合意に先行する交渉と合意後の交渉に重要な役割を果たしたのと似ている。いずれの場合でも米国とイスラエルの担当者の間には時折摩擦が見られたが、米国は一貫してイスラエルの立場を擁護した。2000年のキャンプデービッドの米国人参加者の一人は後に「我々は余りに頻繁に働いた・・・イスラエルの弁護士として」と語っている。結局、ブッシュ政権の中東を転換させるという野心は少なくとも部分的にはイスラエルの戦略的状況を改善させることを狙っているのだ。

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