Anti-Rothschild Alliance

HOME

資料室

HOME>>資料室 TOP>>シオン権力と戦争

シオン権力と戦争

【イスラエル・ロビーか?またはシオニスト権力構造か?】

ミアシャイマーとウォルトは親イスラエル勢力の機構を「ロビー、米国にある他のロビーと同様なもの」、政府外にある「個人やグループのゆるやかな集合体」として描いた。それがイスラエルの利益のために動いている、というわけだが、これほど真実に遠いものはない。米国におけるこのイスラエルの権力は、極めて組織化され十分に資金を与えられ、そして米国中で中央の指令どおりに動く複合体を通して発揮されるのだ。このシオニスト権力構造には無害そうな名前で様々な種類の政治的提案を行う団体がある。少なくとも12のプロパガンダ製造工場(「シンクタンク」)が主としてワシントンと東海岸の高度に連携した数多くの元政策立案者を雇っており、また52の大きな米国ユダヤ人組織が「米国主要ユダヤ人組織代表者会(CPMAJO)」の傘下に結集する。AIPACなどの全国組織(ADLやAJCなど)は連邦議会幹部へのロビー活動レベルで重大な影響力を持つ。しかし、批判者を探り排斥し、地方のメディアをコントロールし市や町や村全体の世論を形成することにおいて、同様に、あるいはより重要なものは地域のユダヤ共同体連合と組織であり、それらは地域の文化計画担当者、編集者、書店、大学、教会そして市民グループを威嚇して、イスラエルとそのシオニストの子分たちを批判する演説者や作家や芸術家や宗教活動家などの公的な言論活動を拒否するようにさせるのである。

シオニスト権力構造の土台は地域の活動家である医者、歯医者、弁護士、不動産ブローカー、地主達であり、彼らは地域の連合会を主催しその何万人という共謀者達を治める。選出された議員達に嫌がらせをし悩ませ威嚇しカネを巻き上げプロパガンダの馬鹿騒ぎを組織するのは、そしてイスラエルの戦争を支持し米国からイスラエルへの何十億ドルもの援助一式を増やしているのは、実にこの連中なのだ。この各地域でのシオニスト権力の構造は、年金用の基金を抑えて見込みの無いイスラエルの国債に何十億ドルも使わせ、イスラエルが名指しする「敵の国家テロリストども」と金融取引をする企業への投資を止めさせるキャンペーンを上手にやり遂げる。米国の大学教授をスパイするのはユダヤ人をベースにした親イスラエル学生組織なのだ。誰がイスラエルに批判的であるのかを調べ、地方版と全国版の報道機関でこき下ろし、大学当局に彼らを首にするように圧力をかける。ユダヤ人人口が1%に満たない場所であっても、シオニストのゼロテ党員【訳注:古代ユダヤでローマ帝国支配に抵抗した過激な民族主義者】たちは、デスモンド・ツツ司教のようなノーベル平和賞を受賞した神学者をキャンパスでの講演会から排斥するように、小さなキリスト教系の私立大学に圧力をかける力があるのだ。シオニストのタコは大都市や国家の権力中枢をはるかに超えてその触手を伸ばし、遠い地方の町や文化圏にまで届かすのである。米国の小さな町の死亡記事でさえも例外ではない。コネチカットの新聞が、著名なパレスチナの老婦人でヘブロン出身のコミュニティ指導者である61歳のシャディーン・アブ・ヒジレフ(Shadeen abu Hijleh)の死亡広告を掲載した(2003年5月)。彼女は故国でイスラエル兵に撃ち殺されたのだが、イスラエル軍の犯罪を表ざたにしたことにその地域のユダヤ人連合のメンバーが激昂し、結局、死亡欄に彼女の米国人の友人や親族が書いた感動的な寄稿ページを検閲し削除させたのだった。

中央集権的な仕組み、つまり同調された製作、攻撃目標、役割分担、資金の吸い上げ、大規模な特別のキャンペーン、ブラックリスト(「反ユダヤ主義者= anti-Semites」および「自虐ユダヤ人=self-hating Jews」)、そしてネットワークの全てが集合して、シオニズム権力構造を作り上げているのである。ミアシャイマーとウォルトは、この主要な親イスラエル・ユダヤ組織の首脳部と地方スタッフおよび地域組織の関係の分析をし忘れている。さらに、発言者や活動や資金提供者をイスラエルの利益に都合の良いように中傷し検閲しあるいは支援するために彼らがいかに迅速に動きを起こすことができるのかを分析し忘れている。

国内中で地域のユダヤ共同体関係委員会(Jewish Community Relations Councils)の発表する記事が、ミアシャイマーとウォルトの本「イスラエル・ロビー」を非難する声をオウム返しにするか中傷的なデッチ上げを繰り返して流している。MとW(ミアシャイマーとウォルト)の議論についての実にデタラメな情報に基づく戯画からみると、彼らがその本の表紙すらほとんど見ていないことが明らかである。

この本に対する圧倒的なユダヤ人の知的攻撃からでてくる巨大な感情の噴出から一つのことが明らかである。現代ユダヤ知識人の知的レベルが、共同体的なねたみや悪意と党派心からのこき下ろしが、データと論理の理性的な検討よりも重要視される程度にまで、深刻に劣悪化しているということである。MとH【訳注:作者は‘H’としているがこれはウォルトの‘W’の間違いではないか?】に対して返答するADLのエイブラハム・フォックスマンの文学的な努力は、1930年代のモスクワ公開裁判の間に呼び物となったスターリニストの悪罵の仕方を思い起こさせるものだ(アンドレイ・ヴィシンスキーの我がユダヤ版として)。これらの知的下劣さの影響を説明するものは彼らの毒に満ちた文章から立ち上る邪悪な気でも理性への訴えかけでもない。進歩派シオニスト(もしそのようなものがあるとすればだが)たちによる理性的な議論にみせかけたものはある。しかし実際には、彼らのメッセージの繰り返しが競争相手のいないマスメディアの情報吐き出し口全部を通して循環するのみである。

シオニスト権力構造はデータの捏造を通して戦争行動を組織化したのだが、それは2名のペンタゴン官僚(ウォルフォヴィッツとダグラス・ファイス)、副大統領室(ワースマーとアーヴィング・スクーター・リビー)そして国家安全保障省(エリオット・エイブラムズ)の経路を通し、大統領室(アリ・フレイシャー)が組織し、そしてブッシュの予防戦争の演説を書いた(デイヴィッド・フラム)ものである。彼らは今や、何千人もの兵士の死亡に悩む米国国民の怒りに直面することを恐れており、それはこのイスラエルのための戦争の筋書きを作った者や手先となった者達が経験したことのないレベルにまで達している。この悲惨な戦争の正体を突き止められないように、シオニスト権力構造の戦争計画者たちとプロパガンディストたちは再び嘘を持ち出し(米国を戦争に連れ込む際のイスラエルの決定的な役割の否定)、アラン・グリーンスパンのようなもう少し賢い情報操作屋が思考力の無い米国左翼と一緒になって「石油のための戦争」という古臭いデマを引きずり出すのである。

このページのTOP

石油のための戦争か、イスラエルのための戦争か:公にされた記録 >>