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日本人が知らない 恐るべき真実

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まえがき

<2005.08.02>

1999年、NHKで放映された『エンデの遺言』 【※1】を観たことをきっかけに、私はレインボーリングという地域通貨グループを立ち上げました。

たまたま日本の地域通貨の黎明期であったため、その後、私は日本各地の地域通貨を実践しよう、勉強・研究しようとする人たちから呼ばれ、講演やワークショップを数多くおこなうことになりました。
もともと私は経済の専門家ではなく、それどころかインフレが何かも知らない経済オンチでした。しかし、呼ぶ方はそうは思っていない。講師である私に様々な質問をぶつけてきます。それらに応えるために、その後、必死に勉強するはめになりました。そして、勉強すれば勉強するほど、お金のことを何も知らなかったことを思い知らされました。
お金の成り立ち、
お金のシステム、
お金が社会に与える影響、
それらは調べれば調べるほど興味深く、お金のシステムが社会に与える影響の大きさに驚き、また、その延長線上には悲観的な未来しか想像できないため、何とかお金のシステムを変換したいという強い欲求を持つにいたったのでした。

お金という観点からものをみると社会の仕組みが実によくわかるようになります。
私の大いなる疑問は、ひとりひとり個人として話をすると、たいていの人は善良で社会をよくしたいと考えているのに、現実は逆方向、つまり、悪い方に向かっていることでした。

その謎は、お金のシステム、および、それが社会に与える影響を知ることにより、納得できるものとなりました。

世界はお金を中心に回っています。
こんなこというと抵抗を感じる人もたくさんいると思いますが、世界を動かしているのは「お金」と「コネ」と「暴力」です。その中心に位置して世界を動かしているのは、まぎれもなく「お金」であると断言できますし、この先を読み進めていただければ、私の主張をご理解いただけると思います。

ただし、お金を中心に回っているといっても、それは循環するのではなく、一方向に向かっていて、その先にあるのは破綻です。

ものすごく大きな視点からみれば、破綻の先には必ず再生があり、そういう意味では循環しているといえるかもしれません。
現在の私の関心は、どうすれば破綻とともに訪れる悲惨な状況を回避しながら、より建設的な未来に向けて再生するかという点につきます。そしてそれは地域通貨的な手法を用いることによって実現できると思っています。

2005年1月、日本には400を超えるほど多くの地域通貨ができ(地域通貨全リスト参照)、運営者の皆さんは、それぞれがんばっていることと思います。ただ、正直言って今の段階では、私は日本の地域通貨には大きな期待をしていません。どんなに頑張っても、それほど有効なものになるとは思えないのです。
 ただし、これからは状況が変わってきます。必ず地域通貨的な手法が必要になるときが、もう間近に迫っています。しかし、それを実践するには、たくさんの人に共通認識を持ってもらわなければ実践することはできません。

これまでの経験から99.9%の人が、かつての私と同じように「お金」のことを知らないと思います。もちろん、実際に統計をとったわけではありませんが、感覚として、それぐらい「お金」のことは、まるで盲点のように問題意識の中から外れてしまっていると感じるのです。こんな状況では、近々来る悲惨な状況を回避することはできない。そんな思いから、この文章を書くことに思い至りました。

 先に述べたとおり、私は経済学者でもなければ、評論家でも政治家でもありません。ただの一般市民です。だから私の認識が間違っているのかもしれません。実は、私の心配は杞憂であり、この先には明るい未来が開けているのかもしれない。もしそうであるならば、それに越したことはありません。ですから、私の問題提起および解決策の提案については、是非ご専門の方々に議論をしていただきたい。世界がお金で回っていて、破綻に向かって突き進んでいるならば、そのモーターを逆に回せば「明るい未来」へ方向転換できるはず、と思うからです。

 話は変わって、私はマハトマ・ガンジーを尊敬しています。深い信仰と人間愛、知恵、強靭な意思と誠実な人格をもった彼の生涯は、国内外の人々に実に大きな影響を与え、非暴力・不服従によりインドの統一と当時の大帝国イギリス支配からの独立を成し遂げました。世界平和のために生命を削り続けたガンジーのお墓には次のような碑文が刻まれています。

『7つの社会的罪』

  • 理念なき政治
  • 労働なき富
  • 良心なき快楽
  • 人格なき学識
  • 道徳なき商業
  • 人間性なき科学
  • 献身なき信仰

ガンジーの視点からみれば、今の社会はなんと罪深き世の中でしょう。
私の現代社会への批判的な見方は、このようなガンジーの視点に拠っています。このままいくと更に人間は罪深き存在となり、いずれ地球から厳罰をくだされるときがやって来るでしょう。
人間の身体に自然治癒力や免疫機能があるように、自然界は自らバランスをとろうとする調整機能を持っています。自らの健康を脅かす"害あるもの"は排除されていくのです。これ以上「社会的罪」を犯さないことが、今後も人間が地球上で生き続けていくことができるかどうかの鍵になると思います。環境を破壊しているのも人間ならば、人間を追い詰め、苦しめているのも人間。人間が原因をつくっているのだから人間にしか解決できないし、解決の道はきっとあると信じます。

【参考】エンデの遺言 http://www.anti-rothschild.net/material/animation_03.html


【※1】『エンデの遺言−根源からお金を問う−』(制作:NHK・NHKエンタープライズ21・グループ現代)は、1999年5月4日にNHKのBS1で放送。児童作家ミヒャエル・エンデが、死の前年(1994年)NHKとのインタビューで残した2時間のテープをもとに「暴走するお金」の正体を探りに旅立つ。「老化するお金」「時とともに減価するお金」など、現代のお金の常識を破る思想の数々を紹介する。欧米に広がる地域通貨の実践−米国のイサカアワー、ヨーロッパの交換リング、スイスのヴィア銀行などもレポート。番組上では取り上げられなかったことも含めて2000年2月にNHK出版から単行本も出版された。

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